この本は、お笑い芸人だけが『藝人』ではなく、ミュージシャン・アナウンサー・作家・映画監督 etc 、全ての『藝』を持つ者、携わる者を『藝人』と呼ぶ、自称芸能界ルポライターである水道橋博士が「あの世」と称した芸能界を愛とユーモアで編ったエッセイ。文中ところどころに散りばめられた皮肉の中に混在した愛とユーモアのこもった文章と、1人の藝人としてのスタンスを崩さずに描くそれぞれの人物への尊敬のこもった文章は圧巻。笑いあり涙ありだけではまとめ切れないこの本は本当にオススメです。
そのまんま東・石倉三郎・草野仁・古舘伊知郎・三又又三・堀江貴文・湯浅卓・苫米地英人
テリー伊藤・ポール牧・甲本ヒロト・爆笑問題・稲川淳二・松本人志・北野武
テリー伊藤・ポール牧・甲本ヒロト・爆笑問題・稲川淳二・松本人志・北野武
それぞれの章に読者として思い入れがあるが、個人的には松本人志と北野武という2人の孤高の天才藝人について綴った章が1番印象的だった。
水道橋博士が崇高してやまない師 北野武への畏敬の念と、同世代ながらも、あの世の頂点に君臨する北野武をも越えんとする松本人志への敬意を表した章なのだが、誰にも影響されない2人の孤高の天才の生き様と、心のどこかで互いを意識し合う2人の目に見えぬ熱い戦いには胸躍らされた。1人の男として、この2人のいつ終わるのかわからない熱い戦いに憧れを抱き、2人の人物にさらに興味が湧いてきた。
文中に多く取り上げられるのは師 北野武とのエピソードである。男としての生き様を示してくれる『師』に対する水道橋博士の畏敬の念は、まさに風雲たけし城ならぬ、あの世の頂点に君臨する将軍と家臣の関係である。たけし軍団という藝人臭い集団の中で、揉まれながらも、我が道を生き続ける将軍の、人情味あるキャラクターと男としてのカッコ良さに憧れを持つ水道橋博士の姿には感動した。
ボクにも『師』と呼べる人が見つかったのは最近のことで、目標となる人ができたのは本当に嬉しい。単に先輩・後輩や、年長者年少者の仲ではなく、それを超えた、人として尊敬できる人、そういう人に出会えたことは本当に幸せなことであり、そういう人が身近にいる事自体に感謝したい。
いつかその『師』の名に恥じないような人間になれたら、将軍に仕える家臣として本望である。
この本の目次で、ふと思うことがある。「なぜ北野武と松本人志という偉大な2人の章が締めではなく、最終章に稲川淳二の章があるのだろうか?」どの章から読んでも楽しめるこの本だが、この謎は最後まで読んだ人にしかわからぬ、水道橋博士の遊び心なのかもしれない。そんな水道橋博士も1人の藝人なのだ。
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