毎年増える蝋燭の数。歳を重ねる喜びとは裏腹に、蝋燭に灯った火を消す度に目には見えない何かも一緒に消え去っているような気がする。人生の節目となる20歳を迎えたのは2年前のこと。皆、幼い頃に抱いていた『20歳』というイメージと照らし合わせたと思う。気づけばボクも今年で22歳。将来に描いた理想の自分への軌跡を、しっかりと一歩一歩踏み出せているのかは正直自分でもわからない。しかし時間だけは刻々と過ぎて行くわけで、時の流れには誰も抗うことはできない。
APUを離れて早くも1年。様々なことを経験する中で、得たモノもあれば失ったモノもある。0から1の人間関係を作り上げることは思った以上に難しく、自分の無力さを思い知らされた。休学して3ヶ月が経った頃だっただろうか、久々に会う友人や先輩に『なんか落ちついたね。』と言われたのは。自分では何の自覚も無かったのだが、休学する前のボクは刺々しくて見てもいられないような存在だったらしい。その時の気持ちとしては、恥ずかしい思いもあったが、喜ばしく思える小さな進歩だと思っていた。
そんなこともすっかり忘れて、気づけば憧れの土地マルタ。夢にまで描いた留学生活、初めての海外での一人暮らし。目に映るモノ全てが新鮮で、何もかもが刺激的だった。一日のタスクをきちんとこなしていたのは最初の頃の話で、マルタでの生活に慣れてくると周りの友人達に流されて、色んな事を先延ばしにし、堕落している自分の姿が目につくようになり始めた。『まぁなんとかなる。』と、どこか高をくくっていた自分が本当に情けない。
堕落した生活を送る自分の姿とは違い、TwitterやFacebookで見かける同期や後輩たちの何事に対しても貪欲な姿勢を見ていて、『おれも落ち着いたな。』と思っていた。でもこの『落ち着く』とは何なのだろうか?昔から『落ち着きのある人』への憧れは強く、それが自分の理想像でもあった。しかし、ボクは意味を履き違えていたようだ。ボクは決して落ち着いているわけではなく、休学する前のあの貪欲な姿勢を忘れてしまっていただけだった。簡単に言うと、何事に対しても興味が無くなってしまったのだ。これ程までに悲しいことは無い。
1年間の休学生活の中で、一番失ってはいけない貪欲な姿勢を失っていた。
あの熱苦しくも居心地が良い仲間たちとの思い出がはるか昔のことのよう。APUという環境がそうさせるのであろう、誰もが自由気ままに闊歩するキャンパスに早く帰りたい気持ちでいっぱいになった。しかしボクにはまだ2ヶ月半留学生活が残されているわけで、今ここでできる最大限のことをしながら、少しずつあの頃の貪欲な姿勢を取り戻していこうと思う。という書留。
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